飼育方針
馬たちの餌
馬房の掃除
放牧や運動
状況により、なるべく放牧しています。大小合わせて10個の放牧場があり、性別に加えて、馬同士の相性も加味して、チーム分けと放牧場を選んでいます。主に午前中に放牧することが多く、まれに午後から放牧する場合もあります。
夏の暑い時期は、夜間に放牧(昼夜放牧)することもありますが、夜間でも気温が高すぎる場合は、放牧できない日が続くことがあります。
直線距離で海岸まで2.5㎞と、海に近い場所に位置しています。11月以降は冷たい海風が吹き、さらに日本海の湿気を多く含んだ雪が降ります。そのため、冷えからの腹痛を防ぐため、冬は放牧時間が短くなる他、放牧ができない日が続くこともあります。
また、時期に関わらず、状況により、放牧できないこともあります。骨折や屈腱炎など、ケガが原因で松原ステーブルスに来た馬の中には、ケガの完治に年単位で時間がかかる場合も多くあり、完治したと思っても、雨が続いたり、寒くなると古傷が痛む場合もあります。放牧ではしゃいでしまった結果、ケガが悪化することもあり、ケガの部分を庇うが故に別の場所が痛むこともあります。また、逆にケガをしているからと厩舎に残すことで、集団動物である馬の習性から、暴れて逆にケガをしてしまうこともあります。
運動に関しては、ケガがある馬についてはもちろん完治してからです。物音や周囲の状況に慣れるように、少しずつ慣らしていきます。その後、乗り運動を始めます。人間と同じで、軽い運動で身体をほぐしてから本格的な運動に移ります。適度に運動をする事で、腸の活性化につながる他、筋肉維持にもなり、健康維持に役立ちます。
飼育体制
引退馬の養老牧場という点では、全国的にもまだ数少ない牧場です。殺処分寸前から救われた馬たちの中には、健康ではない場合も多くあり、その瞬間瞬間での対応で、その後を大きく左右する場合も多くあります。他の牧場とは飼育の方針、やり方、対応の仕方など、異なる点も多々あると思います。
人生のほとんどを馬に携わってきた松原場長を中心に、スタッフたちが愛情を込めてお世話をしています。獣医師や装蹄師とも相談した上で、治療方針を決定しています。また、馬たちの世話をしているスタッフはもちろんのこと、ボランティアの会員も、普段とは違う様子、少しでも気になる様子がある場合は、すぐに松原場長に相談し、その後の対応・処置を決めています。
松原ステーブルスにいる馬たちは、全頭が私たちの家族と思って世話をしています。誰か1頭が寂しい思いをしたり、痛い思いをするのではなく、馬たち全頭に私たち人間も加わり、痛みも楽しみも分かち合って暮らしていきたいと考えています。
みなさまのご理解と、これからも変わらない応援を、心よりお願いいたします。